映画を楽しむ「許されざる者」
明治2年、幕府軍は新政府軍に追われて北海道へ逃げ込んでいた。
新政府の人間は馬に跨り雪原を行軍していた。
ひとりの男が現れて政府軍を皆殺しにした。
明治13年、ひとりの男が北海道の最北の地の寒村でこども
ふたりと土地を耕して細々と暮らしていた。
男は幕末に人斬り十兵衛と恐れられていた元武士だった。
この十兵衛のもとを昔の仲間が賞金首の話を持ってやってきた。
賞金首の相手は、女郎の顔に傷を付けた開拓民のふたりの
男だった。
十兵衛には、亡き妻と交わした「二度とひとは殺さない」という
約束があった。
この映画、過っての東映のヤクザ映画を彷彿させる。
なんとか世を忍び生きてきた男が耕していた畑から
作物が取れない状況に遭遇しこどもたちのために結局は
賞金稼ぎとしての道を選択してしまう。
そして、十兵衛の行く手には町を治める支配者がいて
誘いに来た昔の仲間が無残にも拷問を受けて殺されたとき
十兵衛の運命は超えてはならない一線に向かって動き出す。
「人を斬って・・・斬って斬って 最後には誰かに斬られて死ぬ。
ただそれだけの人生だと思っていた」
正義も悪もない ただ斬るだけ そして映画は答えが出ない
まま終了する。
明治の北海道という背景と貧しい生活、そしてこども。
父親の特技は人斬りで生きるためにできることは賞金稼ぎ
このような行為がどこまで許されるのか戦争を知らない私の
ような人間には判断できない。
ただ、こういう時代に生きなくて良かったと思うだけです。