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読書を楽しむ「桜木紫乃 ホテルローヤル」

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湿原を背に建つラブホテルに関わった男と女の物語

7つの話からできている。

シャッターチャンスは、中学時代にアイスホッケーの選手だった
貴史が中学のときの同級生美幸が働くスーパーで一緒に働く
ことになりふたりは付き合い貴史が一眼レフカメラを手に入れた
ことで写真雑誌の投稿写真に美幸のヌード写真を撮りたいと
今は、廃墟になったホテルローヤルの一室で撮影をする。
そして、撮影終了後、男は「お互いの実家に顔をだそう」と言う。

本日開店は、住職の女房幹子が寺を支えるために檀家の総代と
肉体関係を持ち寄付を受取るというストーリーで幹子にとっては
老人達を介護するという気持ちでいた。
ホテルローヤルは、幹子が看護助手をしていたときに付き合っていた
男と利用したホテルだった。

えっち屋は、ホテルローヤルの経営者の娘・雅代がホテルで心中事件が
起こり客足が遠のきホテルを閉めるにあたり、えっち屋と呼ばれるアダルト
玩具販売員宮川に売れ残った商品を引き取りに来てもらう話。

バブルバスは、舅と同居していて夫とSEXできない妻がお盆の日に僧侶に
お経をお願いしたが来れなくなり用意した5千円が浮いたので帰り道で
ホテルローヤルに休憩で部屋をとり夫婦で楽しむというストーリー。

せんせぇは、親に家出された女子高校生と仲人をした校長と浮気をする
妻に耐える高校教師のストーリー。

星を見ていたは、ホテルローヤルで働く60歳の掃除婦ミコのストーリー。
35歳のときに漁師の正太郎と暮らすようになったが旦那が怪我をして
船を下りてから働かないでミコの山奥の実家で暮らしていた。
そして、ミコを雇ってくれたのがラブホテルだった。

ギフトは、看板屋の田中大吉がラブホテル「ホテルローヤル」を建設すると
いう内容でホテル名の由来がわかる。
大吉には歳が半分の団子屋で働くるり子という愛人がいた。
妻はラブホテルの経営なんてできないといって離婚届を突きつけ実家に
戻った。
るり子にこどもができて大吉は6000円の季節はずれのみかんをプレゼント
したときに木箱に書かれていたみかんの名称が「ローヤルみかん」で
ホテルローヤルとしたという内容。

ホテルローヤルに関わりを持ったひとびとのお話でした。



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