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読書を楽しむ「誉田哲也 ケモノの城」

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辰吾と聖子は町田市木曽根のアパートに住んでいる
辰吾は29歳で自動車修理工場で働き
聖子は24歳でファミリーレストランで働いている
ある日、聖子の父親中本三郎がやってきた
父親は散歩に出てはサンコート町田というマンションの
403号室を見ていた

警察に若い女性から身柄保護を求める110番通報があった。
全身に様々な傷があり、虐待あるいは拷問に近い行為を受けて
いたと推察された。
女は、香田麻耶17歳。町田市木曽のサンコート町田403号室に
住んでいた。
賃貸名義人は香田靖之で麻耶の父親だった。

暴行したのは梅木ヨシオとアツコ。
麻耶は、父はあのふたりに殺されたと話す。
そして、浴室からルミノール反応が出た。
麻耶の証言から梅木の似顔絵を作成した。

アツコは湯浅恵美38歳と名乗り、7年前にヨシオとスナックで出会った。
アツコがひとり暮らしをはじめるとヨシオが部屋にくるようになり、暴力を
振るうようになった。
原因は、ヨシオの嫉妬で他の男と親しくしていたことにあった。
アツコの勤めていたスナックに香田がヨシオを連れてきた。
ヨシオは他の女とも関係を持っていた。女性を渡り歩き金を引き出していた。
ヨシオはアツコに香田と関係を持たせ慰謝料を巻き上げた。
そして、香田の部屋にアツコと居候し香田の娘・麻耶も呼び寄せた。
香田を浴室に閉じ込め、ヨシオのいうことを聞かないと麻耶に命じ
身体に電気を通電させた。
そして、ある日通電が原因で死んだ。死体はバラバラにした。
麻椰は香田靖之の死体損壊容疑で逮捕された。
麻椰の供述からアツコの本名は原田幸枝といい家族4人も一緒に部屋に
住んでいたが今年の初めから行方がわからなくなっていた。
ヨシオの行方も不明だった。

辰吾は聖子の父親三郎が居候して不審な行動をしていることに疑問を
抱いて父親をつけまわした。
そして、父親三郎がサンコート町田に入り、出てきたときは女性のあと
をつけていたが何事も起こらなかった。
辰吾も父親三郎が見ていた403号室を見ていたが窓がいつも暗かった。
そして、前に父親三郎が追っていた女性が403号室に入ると父親三郎が
ドアから顔を出した。
辰吾は聖子の父親三郎が何をしているのか確かめるために部屋に入ったら
異臭がしていた。
部屋には血塗れの防護服の少女とやせた女がいた。
青いビニールシートが敷き詰められたリビングに連行され、大量の生ごみ
が腐ったようなニオイと強酸性の刺激臭がした。
そしてバケツがいくつも置かれていた。
バケツの中は真っ赤な液体で満たされ、そこには人間の顔が、いや頭が
丸ごとひとつ、浸されていた。

その部屋には、標的にした人間を終わりのない暴力と恐怖心と長時間の監禁
で、逃亡しても何度の阻止し、絶望させ家族も信じられなくなるようにコント
ロールするケモノが住んでいた。

日常に潜む恐怖。隣人を気にしない都会のマンション。
そして、発端は中川三郎の単身赴任から始まった。
ここから先は、本を読んでのお楽しみ。
それにしても人間の狂気は恐ろしい。


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