読書を楽しむ「東野圭吾 ラプラスの魔女」
数学者のラプラスの仮説 この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する 知性が存在するならば、その存在は、物理学を用いることで これらの原子の時間的変化を計算できるだろうから 未来の状態がどうなるかを完全に予知できる この存在をラプラスの悪魔と呼んでいる プロローグ・・・ 北海道ー旭川にある母親の故郷を母親と訪れた小学生の女の子羽原円華。 父親・羽原全太郎は世界初の手術があり一緒にこれなかった。 母親とサイクリングに出た時に竜巻に巻き込まれ母親が死亡する。 ・・・・・・・・・ 赤熊温泉と苫手温泉で硫化水素中毒事故が発生した。 二つの中毒事故で共通しているのは、どちらも映像関係者が被害に遭った。 ひとりは映像プロデューサーで、ひとりは役者だった。 被害者ふたりは映画監督の甘粕才生と繋がりがあった。 その監督・甘粕の妻と娘は過去に硫化水素で死に、一命を取り留めた息子・謙人は 医師・羽原全太郎が植物人間状態から救った。原因は娘の硫化水素自殺だった。 羽原全太郎は、脳神経細胞再生の第一人者だった。 その謙人は突然行方をくらまし、ふたつの中毒事故現場で目撃されていた。 謙人は手術によって様々な出来事について、次にどうなるかが何となくわかる 身体になった。 空中に放たれた野球やサッカーのボールが、どんな軌道を描いて落ちるかなどが 瞬時に予測できた。その謙人を羽原円華が追っていた。 硫化水素中毒事故は事故なのか、殺人なのか? 読めば読むほどに引き込まれていく。 そして行き着いた先で判明したことは父性欠落症。 自分はどんな父親か考えさせられる。