読書を楽しむ「ユッシ・エーズラ・オールスン 特捜部Q 知りすぎたマルコ」
デンマーク政府の開発援助金を 外務省の局長と銀行が詐欺した 銀行が担保なしに融資した不動産市場が破錠し銀行は破産の危機に瀕し、 銀行株に投資した局長は値下がりする株に苦慮していた。 これが詐欺行為のはじまりだった。 2008年秋。カメルーンで原住民の農業指導をしていた青年ルイが殺された。 同じく外務省の局長レニの部下の参事官スタークがカメルーンで出向き、 その後行方知れずになった。 2010年秋。 15歳の少年マルコは叔父のゾーラが率いる窃盗団で物乞いやスリ、引ったくり などをしていたがある時仲間を庇ったことから反抗心ありと疑われ、命を狙われ 森へ逃げ込んだ。穴を掘って地中に姿を隠した場所に男の裸の死体があった。 マルコは街で捜査願いのビラを目にする。 その顔写真を見た時、マルコは地中に埋められた死体の人物だと気づき、 その男スタークについて調べる。 やがて特捜部Qもスタークの調査をはじめ、結婚はしていないが母親マリーネと 娘ティルデがスタークと一緒に暮らしていたを突き止める。 ティルデはクローン病で治療費が200万クローネ必要だった。 スタークは開発援助のP/Jの金を200万クローネ流用していた。 マルコは事件の真相を知っていたが自らが不法入国者であることから国外追放を 恐れ、警察に真相を話せないでいた。 マルコはゾーラからも殺し屋からも命を狙われていた。 孤立無援のマルコの苦悩に読みながら情が移ってしまう。 困った時は相談できる相手が必要だ。