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読書を楽しむ「ユッシ・エーズラ・オールスン 特捜部Q カルテ番号64」

 CIMG7085.JPG                           デンマークにある小さな島スプロー島                                   50年前まで、ふしだらという理由だけで女性たちが                                            収容された監獄だった                                            島を出るには不妊手術の同意書に                                          サインをしなければならなかった                                  1923年にケラー式療養所として開設された知的障害者施設は1959年に閉鎖する                             までに1500人の女性を無期限で島に送り労働を課し不妊手術を強制した。                                        1955年ニーデとリタが施設に入る。                                                   ニーデは従兄テーイと関係を持って15歳で妊娠した。                                 中絶手術をするために行った病院でクアトという医師に強姦される。                                 クワトの父親は開業医で血の純潔とデンマーク人の倫理観を守ることを使命とした                             結社を創設していた。そしてニーデは施設に入ることになった。                                     ニーデはクワトの最初の患者だった。彼女のカルテ番号は64だった。                            2010年11月、コペンハーゲン警察本部特捜部Qは1987年にコペンハーゲンに                             出かけ失踪した娼館のマダム・リタの事件に関心を持っていた。                                           失踪後、3ケ月で自殺と判断され捜査は中止されていた。                                リタがいなくなった週に、あと2件の失踪届が出ていた。                                      次の週にも1件出ていた。                                                 カール・マーク警部補は事件の匂いを嗅ぎつけ捜査に着手した。                         当初、失踪した5人には何の共通点もなかった。                                                     1985年11月、ニーデは富豪と結婚しパーティに夫と共に出席していた。                   そこにクアトが現れ、ニーデの過去を夫に告げる。                                     夫はニーデに子どもができない理由を知る。                                   夫の運転で家に戻る車中で夫がニーデに家を出るように言う。                             そして、夫がハンドル操作を誤り車は海に転落する。                                  夫は亡くなり、ニーデは莫大な遺産を手にする。                                                  1987年8月、ニーデはデパートで買い物をしている時にクアトを見かける。                 ニーデは現在の自宅がある集合住宅に戻り復讐を遂げる方法を考える。                            スプロー島からヒヨスの種をニーデは数粒持ち帰った。毒草を育てエキスを                抽出して毒薬を完成させた。                                           ニーデは50歳になって身体は不治の病に蝕まれていた。                             ニーデが復讐したい相手は6人。医師のクアト、リタ、看護士のギデ、従兄の                   テーイ、漁師のヴィゴ、弁護士のフィリップ。                                       彼女は6人に手紙を書いた。                                         不治の病で跡継ぎがないので有り余る富を人生で関りを持った方々と分け合い                たいので9月に自宅に来て欲しい、1000万クローネを渡すと書いた。                                                 海外の作家の本を読むことで、その国々の知られざる恥ずべき過去が                        あったことを知る。日本でその昔、村八分があったと同じように。                         長く生きていると知らないことを知るようになる。                             そういう意味ではどこの国にも歴史上の問題があり、少しづつ良く                           なっているいると知るがその裏に犠牲者がいることも忘れてはならない。



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