読書を楽しむ「谷村志穂 雪になる」
小樽の町で加代は郵便局員の木村と出会った 加代は堺の小さな造り酒屋の跡継ぎ息子と結婚したが、彼女は 母親が営む小料理屋の 娘だった。 嫁いでから子供ができず、夫の母親は女を家の手伝いをさせる と言って同居させ、 こどもを産ませた。 加代は酒屋を追い出され、実家に出戻るつもりでいたが、実家に 戻った日に母が 脳溢血で病院に運ばれ他界した。 加代は色々な土地を転々とした。 温泉宿の仲居をすることが多かったが、行く先々で男と寝てしまった。 そして、小樽に流れてきて6畳2間の部屋に住んでいる。 暮らして1年ほど経った時に郵便局から元夫へ手紙を出した。 その返事を郵便屋さんが配達してくれた。 加代は矢絣の着物を着て料理屋で働いていた。 そして、加代は郵便配達人の木村に恋をした。 流れ着いたこの小さな雪の町に住む郵便屋さんが、どこかで密かに 自分のことを 好いてくれている。 そんな夢と束の間戯れたいと思っていた。 病院へ入院した時に木村を見かけた、後をつけたら病室に入り女がいた。 都はるみの「北の宿から」を口ずさむような物語でした。 女心の未練でしょう、あなた恋しい北の宿。 女性のひとり暮らしは、淋しさだけが残る。