読書を楽しむ「朝井まかて 福 袋」
乾物商を営む佐平は、女房・お初と別れ 若後家のお紺と一緒になろうと考えていた 佐平から離縁を切り出すと嫁入り道具をすべて返し 持参金も返さなければならない そんなとき、姉・お壱与が離縁され戻ってきた 佐平は姉の嫁ぎ先に駕籠で乗り付け持参金の返金を求めた 先方はお返しできませんというので訳を聞いたら姉はとんでもない大喰らいだった。 そんなとき、日暮里のお寺で大喰い会があり30両の褒賞が出ることを知る。 お壱与を参加させたら優勝した。 谷中の寺でも大会がありお壱与は勝者となり10両を稼いだ。 根岸の料理屋の大食会にも招かれ賞金は100両だったが献立がお壱与には 不利で初めて負けた。 そんなお壱与にさるお大名家で姫君付きのお毒見役を探していて白羽の矢が立った。 奉公することでお壱与は佐平の世話にならないでも自らの口を自身で養って いけることになる。 お壱与は、食べ物の素性がわかる舌の持ち主だった。 佐平は姉ちゃんは福の神、いや福袋だと言った。 佐平は姉を頼りに賞金稼ぎに精を出し、家業に精を出さなかったため奉公人は 店を去り、己は空袋になった。 身から出た錆というお話でした。