読書を楽しむ「長岡弘樹 にらみ」
にらみとは刑事が公判を傍聴することを意味している 4年前、被疑者の保原尚道と取調官の片平成之は保原が3回目の務めにいくことに なった地裁の法廷で顔を合わせていた。 保原は仮釈放を受けて刃物工場に就職したが犯罪歴を同僚に知られ、職場で嫌がらせを 受け仕事を辞めた。 そのため収入がなくなり金に困っていた。 保護観察中の身であることから保護司の石橋マサ江を定期的に訪問することになり、 彼女が金を貯めていたことに目をつけ農薬で殺害しようとして隣家の主婦に見つかり 殺人未遂で逮捕された。 被疑者のことを知っている片平は保原が盗みはするが、人を殺めるような悪人では ないと思っていた。 片平は事件現場へ出向いて隣家の主婦から石橋マサ江が金の貸し付けをしていたことを 聞きつける。 そして、片平は取調室で被疑者がにらみを受けていたのではと考える。 短編ではあるがうまくまとまったストーリーになっている。 出来の良い短編に出会うとうれしくなる。
2019-01-30 23:25