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読書を楽しむ「原田マハ アノニム」 

CIMG7783.JPG                                        謎のアート窃盗団「アノニム」の仲間たちに与えられたミッションは                                              オークションの目玉で登場する                                                  ジャクソン・ポロックの「ナンバー・ゼロ」を                                    最高落札価格で落札させること                                    落札したポロックの作品を贋作にすり替えること                                   「ナンバー・ゼロ」の贋作を依頼されたのは17歳の難読症の高校生                 その高校生・張英才は香港島の古ぼけたアパートの一室に住んでいた。                             絵を描くのが得意だが、文字を読むのが苦手だった。                                         文字というモノがすべて「絵」に見えた。                                     小学5年生のときにカウンセラーに教えられた難読症だと。                                    プラスチックのバケツの中には赤いペンキが入っていた。                                左手に刷毛を持ってペンキに浸す、奇声を発して、刷毛の先を新聞紙に叩きつけ、                          ペンキをぶちまける。ペンキが勢いよく床に撥ねる。                                     全身を使ったペインティングが完成した。                                         アート窃盗団「アノニム」のメンバーが完璧な贋作の描き手を探していた。                                 「アノニム」の存在が知られるようになったのは、イタリアの修道院所属の                             テンペラ画「受胎告知」が盗難にあったが1年後に元の場所にかけられていた。                                 そしてリポートが添付されていて真作であると結論された。                                    レポートの裏面に謎のステッカーが貼られていた。                                           このミステリアスな盗難に遭った美術作品を、人知れずもとにあった場所に戻す                            「慈善行為」が謎の集団「アノニム」によるものだと認識されるような同様なケース                                        がその後も起きた。                                                   70代のアメリカ人女性ロレンダは美術品の蒐集家と知られ、自分が所蔵する作品                                  ジャクソン・ポロック作「ナンバー・ゼロ」をオークションに出品することになった。                               ロレンダはあり余る資産の使い道に困り果てていた。                                       さまざまな慈善団体や学校などに多額の寄付をしていた。                              IT長者のジェットと花形オークショニアのネゴは出品したら一億ドル以上で落札                                           してみせますと言った。                                                  高校生・張英才は郊外授業でメガミュージアム建設予定地来ていた。                                  そこには美術史家のエポックとギャラリー経営者のヤミーとアートのコレクター                             オブリージュがいた。3人は郊外授業の案内をした。                                        香港の高層階ホテルのフロアに「アノニム」のメンバーが集結し、ボスのジェットが                                「ナンバー・ゼロ」を贋作に誰にも気づかれないようにすり替えよと指令を出した。                                     そこにはネゴ、エポック、オブリージュ、ヤミー、美術品修復家のネバネス、                              建築家のミリがいた。                                             「ナンバー・ゼロ」をオークションで落札させる相手はモナコのモンテカルロに                            いるゼウスという謎の男だった。                                      英才のスマホにアノニムからメッセージが送られた。                                  「たった1枚の絵で世界を変えてみないか?」                                   モナコの謎の男にたっぷり金だけ払わせて、落札した作品は送らず「贋作」を送ると                                     いう企みは成功するのか美術品の世界を舞台にしたお話はかなり楽しい。                               ※ジャクソン・ポロックはアメリカのアーティストで1950年代から60年代に                                ニューヨークを中心に活躍した。カンヴァスを床に置いて、その上を動き回って                                     絵の具を垂らし、動きの軌跡をカンヴァスの上に残すと言う手法を生み出し                              「アクション・ペインティング」と呼ばれている。                                   読書の楽しみは本を開くまでどんなことが書かれているか知らないから                                 全て読まないとわからないことにある。                                                 


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