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読書を楽しむ「井尻千男 明智光秀 正統を護った武将」

CIMG8700.JPG                                 明智光秀と言えば本能寺の変と誰もが答える                                         また怨恨説や野望説などが背景にあると言われているが・・・                                                      明智光秀は教養人で朝廷や公家、武家の行事や法令・制度・習慣などに詳しかった。                           和歌を詠み蓮歌に興じ、茶の湯を嗜む趣味人でもあった。                                    朝廷を重んずる想い(天皇親政)が強かったと考えられる。                                        明智光秀は年齢不詳の武将で本能寺の変を起こした時の年齢は55歳とされている。                             このとき織田信長は49歳。                                               明智光秀が歴史に登場するのは1568年で本能寺の変の14年前である。                                   1565年将軍義輝が暗殺され、足利幕府は消滅したも同然となっていた。                                         このことで将軍不在、幕府倒壊、正親町天皇の孤立により国体の危機が起きていた。                                 細川藤孝は足利幕府再興のために協力者を探していた。                                         光秀は諸国遍歴の旅を6年経験し藤孝と出会った。                                         ふたりは足利幕府再興を信長に要請し足利義昭が将軍になったが愚行によって5年で                         幕を下ろし信長に追放された。                                                1571年信長は比叡山延暦寺を焼き払い、滋賀郡を光秀に与え坂本城の築城を許して                              いるが、これはこれから起きる厄介事を光秀に処理させるためにという解釈もある。                 滋賀郡は延暦寺の寺領だった。                                       信長は足利義昭を追放しても自らが将軍にはならず公卿になった。                       信長が将軍にならなかったことで光秀は国を誰が治めるのか先の見えない不安を                                抱いていた。                                              1573年信長は正親町天皇に譲位・退位を迫った。                             室町幕府の滅亡は国の統治機関の消滅であり、信長が新しい幕府をひらかないことは                国家の消滅に等しいことだった。                                         この危機感と絶望的状態に最も強く深く感じていたのは誰であろうか。                                   そして3年4年と無政府状態が続き、信長に対する不信感が国民的規模に達したとき                 武将たちは口には出さなかったが「誰が信長を討つか」と思うようになった。               1576年から信長は安土城の天主閣の建立に夢中になり、いくさ上手の信長がまつり事                 には関心を示さず、期待が失望から幻滅へと変わっていった。                          明智光秀に関する本は探さなければ手にすることはできない。                          諸説もいろいろあろうと思うがイギリスの合意なき離脱と同じように無政府状態は                  国民に嫌われる。                                              このことを明智光秀が憂いていたと考えることができなくないがもっとたくさんの                          光秀に関する本を読まないと何とも言えない。


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