読書を楽しむ「ジョン・ロード クラヴァートンの謎」
プリーストリー博士が旧友ジョン・クラヴァートン卿を訪ねるのは ほぼ1年ぶりのことだった クラヴァートン卿は世捨て人のように暮らし 唯一の趣味は書物に囲まれて過ごすことだった クラヴァートンの屋敷には、クラヴァートンを世話する娘、その母親で クラヴァートンの妹、クラヴァートンの甥の3人がいた。 クラヴァートンは図書室にいたがその容姿はまさに老人の顔だった。 クラヴァートンと博士は同じ57歳だった。 主治医のオールドランドの話では6週間前の夜にクラヴァートン家の執事が迎えに 来てクラヴァートン卿の具合が悪いと告げられ持病の胃潰瘍が悪化したと思い処置 し、血液などのサンプルを採って持ち帰り調べたらサンプルの中から多量の砒素が 検出されたことを知らされる。 それ以後もサンプルを採って検査しているが砒素は出なかった。 翌週、博士はクラヴァートンを訪問したら執事から昨日の朝、 亡くなったと告げられる。 博士はクラヴァートンが毒殺されたと考え、古くからの友人のロンドン警視庁の ハンスリット警視に電話をし、この死亡についての助言を求めた。 顧問弁護士の話からクラヴァートンは妻が亡くなったときに遺言書を作成し クラヴァートンの妹に遺すとしていたが、2.3日前に呼び出され新しい遺言書を 作成する時期が来たと本人が言い指示通りに作成したが財産は家を除いてすべて 信託財産にされた。 一定期間、信託で管理しその先の主たる受益者はメアリ・アーチーとなっていたが 顧問弁護士も博士も知らないひとだった。 死因を特定するため検死解剖が行われたが死因は毒殺でないことが判明した。 クラヴァートンの謎の死は殺人なのか、そして動機は遺産増続なのか、読んでいても 犯人を特定できない流れになっていて最後まで読ませてしまう。