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読書を楽しむ「高山羽根子 カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」

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シバちゃんのこどもの頃からOLまでのエピソード

ヘルメットの話から始まり、おばあちゃんの背中はエロかったという話に移り、シバちゃんが小学生の時にお父さんの転勤で新しい町に新しい家を購入し、おばあちゃんの家とは新幹線か飛行機を使わないと行けないくらい離れた。小学校4年の時に町は自然災害に襲われ工事現場ができ、おっさんに工事現場のついたての陰にひっぱりこまれ、お腹のにおいをかがれたり、なめられたりした。それから数年が経った頃、おばあちゃんが死んだ。シバちゃんは中学生になっていた。中学校のグラウンドの裏手に大学の学生寮があった。寮の敷地に入ったときにギターの音が聞こえてきた。ボブ・ディランの”時代は変わる”という曲だった。高校生になって人身事故の具体的内容を実感した。勤め始めて数年が経ち、通勤で十年に一度という大雨に遭遇し電車が20時で 運行は中止になった。自宅から離れた駅で無理やり降ろされタクシー乗り場も人で溢れていた。駅を出てアーケードがついた路地に出て空家に見えるお店に雨宿りするために入った。大学生に見える男がカウンターの中と外にひとりずついた。バラの紅茶を飲みながらおしゃべりした。お店の名は「ハクチョウ」と言った。お店は3人で担当していると言われた。ひとりはカンペでひとりはサイトーで、ほかにイズミという女の子が働いていた。シバちゃんは毎週木曜日に「ハクチョウ」に通うようになった。イズミは昼間写真の現像サービスをするお店でバイトをしていて、空いている時は映画を撮っていた。イズミが撮ったデモのような集会のような映像にニシダが映っていた。ニシダはシバちゃんの高校の同級生だった。ニシダは若い人の集会ではチャイカという名で通っていた。イズミはシバちゃんを誘いニシダの集会を見にいくことにした。集会は公園からスタートして街中をうろうろして、また公園に戻った。ステージにニシダが上がり、楽器を持ったひとたちが祭囃子っぽい音楽を演奏した。シバちゃんとニシダの目があった。シバちゃんは逃げ出し、ニシダが追いかけた。自分の周りには別の何かが一杯あるのに気づかないで生きているのかも知れないとシバちゃんは思った。世の中には知らないことがいっぱいある。みんな集まれ。サラっと読んでサラっと済ませる。これがシバちゃんのエピソードらしい。


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