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読書を楽しむ「江國香織 なかなか暮れない夏の夕暮れ」

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失う女がいない資産家の50男・稔

彼は存在していることが仕事で

本ばかり読んで暮らしている 

資産家であるため交友関係も多く、この物語には14人もの登場人物がいる。稔が大家のアパートには居酒屋の52歳の店主チカと56歳の高校の国語の教師・さやかが同居して暮らしている。居酒屋のアルバイト店員は真美。さやかは教師を退職したら田舎に住むという移住願望があった。

大竹は稔の会社の顧問税理士で高校の同級生。再婚してヤミという妻がいるが最後には離婚することになる。

稔にはカメラマンでドイツで暮らす54歳の姉・雀がいてスカイプで連絡を取り合っている。

渚は稔の元カノで稔との間にできた波十と現在の夫・藤田と暮らしている。

淳子は稔の高校の同級生で出版社の雑誌の編集長をしている。彼女には光輝という息子がいて大学を辞めて植木職人を目指している。

稔と雀が経営者のソフトクリーム専門店には、茜が店員として働いている。茜の前は中学校の同級生だった由麻が働いていたが妻子ある男性・藤枝と付き合ってこども・雷留が生まれたが認知されず、稔が認知し養育費も支払っている。

これらのひとびとのありふれた、でもかけがいのない日常の物語。失われてはじめて、あの時は幸せだっとー。それなのになぜ、ときどき逃げ出したくなる。なんの結論もないまま淡々と読む物語。いいかも知れない。


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