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読書を楽しむ「山下澄人 月の客」

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トシとサナは朝まで月を見ていた

ふたりはこれまでの話をした 

トシの父は口がきけない母をはらませて消えた。母が飲み屋で働いていた時の男はチョージといい妊娠がわかりチョージは消えた。トシは5歳で酒屋にもらい子にやられたが10歳のときに小さな神社のほこらに住むせむし男に出会い、大きな木に登り、ほら穴を見つけ、トシはそこに住むようになった。すずめやハトやからすにかえる、ザリガニを食べて暮らした。捕まえ方はせむし男が教えてくれた。12歳の時に知らない男にナイフで頬を切られた。ほら穴には、いぬと一緒に住むようになった。

サナはトシがほら穴を見つけた頃から穴へ来ていた。豚みたいな若い女だった。

サナは両親と住んでいた5歳の時に酔っ払いの母親に突き飛ばされて足を骨折した。3年後、母は車に跳ねられ腰からしたが動かなくなった。サナが中学に入った後、母親は首を吊った。サナの母親の葬儀でトシの母親はサナの父親の兄貴で見世物小屋の親方と知り合い見世物小屋で働くようになった。親方にはおくさんと呼ばれる女が4人いた。

ふたりは15歳になり、ほら穴でいぬと共に暮らすようになった。サナはイエスさんの話が好きだった。トシは頬を切った男と出会い、男をアイスピックで刺して、施設に入った。サナは、ほら穴にいたが運送会社の事務員になり尞に住んだ。トシが施設から戻ると母は男の子ラザロを生んだ。トシも見世物小屋で働くようになった。ラザロの父親はきよしという名だった。トシはきよしの耳を削いだ。ラザロは小学生になったときに車に轢かれて死んだ。サナはラーメン屋で知り合った歯抜け男と暮らしていたが地震で家がつぶれ、男は病気で亡くなった。トシの母は、見世物小屋を辞めて焼肉屋で裏方として働いていたが地震で避難所へ避難しそこで亡くなった。サナは全国をあちこち飛んで暮らしていたが30歳のときに建設現場で警備員をしていたときに首になり、ほら穴へ戻った。トシはせむし男が死んで、残した金で部屋を一時借りたがほら穴に戻った。

10歳の時からほら穴で、トシはいぬと暮らすようになり、サナも来るようになり、歳月が流れ、穴の前でトシが寝ていると思ったら死んでいた。横にいぬがいて腹が減ればトシを食べる。

読んでいくとトシという男の一生を知ることになる。


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