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読書を楽しむ「フレデリック・フォーサイス ザ・フォックス」

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コンピューターが人間から仕事を引き継いだことで

何兆件もの秘密情報がデータベースに蓄積されるようになった

サイバースペースと呼ばれる空間が複雑になり

そのカラクリを理解できる人間は少なくなる

そして、アメリカの国家安全保障局の世界で一番機密性の高い

データベースが不正に侵入された

外部の者がアクセス・コードを知ることなど不可能と思われていたが

誰かがやってのけた 

そして、ハッカー狩りがはじまったが今回のハッカーは何も盗まず、何も妨害せず、何も壊さなかった。同盟国のイギリスがハッカーにニックネームをつけた。うまく逃げて捕まらないところから”フォックス”と呼んだ。イギリスの政府通信本部のヘンドリック博士がIPアドレスの一部を見つけ追跡したらイギリスだった。犯人はロンドンの北の静かな田舎に家族4人で住んでいた。公認会計士のハロルドと妻のスーと長男のルークと次男のマーカスだった。アメリカとイギリスの偵察部隊が急襲し4人の身柄を拘束した。サブマシンガンを向けられ4人は恐怖にとらわれた。長男のルークは自閉症の一種アスペルガー症候群のため部屋にこもって普通のコンピューターをカチャカチャやっている高校生だった。その子がサイバースペースのどんな場所にも入り込め、なんでもできることが明らかになった。ルークはサイバースペース内を歩き回るうちに彼の基準できちんとしていないものが見つかった。だから中枢部に入り込んで欠陥を暴いただけだったが、それがたまたまアメリカのデータベースだったのでシステムの管理者たちのプライドを傷つけてしまった。イギリスの首相の国家安全保障関係の個人的助言者のウェストンはアメリカに対しルークを雇用して、彼を隔離した環境に置いて、自分たちの監督のもとで彼の能力を使いたいと提案し受け入れられる。作戦名は「トロイ作戦」と命名された。ルークはロシアの軍艦がドーヴァー海峡を通り抜けるのを座礁させた。ロシアは報復するために対外情報局長官クリロフに犯人捜しを命じた。次にルークはイラン・イスラム共和国の砂漠の地下に設置されているコンピューターに侵入した。そして、イランのデータベースへのアクセス・コードを手に入れた。アクセス・コードを使ってイランの核開発に関するデータを入手した。北朝鮮の山中の地中にミサイルが高くそびえ立っていてテストをしていたがその最中に爆発が起こった。品質管理を行うデータベースが侵入を受け、製造方法を変えられた。ロシアは天然ガス・パイプラインを敷設中で完成するとヨーロッパはロシアに依存しなければならなかった。1週間後、黒海の海底でパイプラインを制御するマスター・コンピューターに何者かが侵入し、マルチウェアを植え込んだ。そして海底で事故が起きた。ウェストンはルークの命を狙うクリロフを罠に嵌めロシア政府に処分させた。自閉症の天才ハッカーの活躍はなんとも恐ろしくもあり爽快でもある。これからの世界の戦いは頭脳戦だという気もする。


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