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読書を楽しむ「鈴木るりか 私を月に連れてって」

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ただいたずらに飯を食うのみの男・松下賢人

木造2階建てのボロアパートに住み、管理人をしている

実家が隣で母親が住んでいる

高校を中退して父親と大喧嘩して家を追い出されアパートに住んでいる。その父親は心筋梗塞で亡くなった。無為徒食の男は金がないので図書館で過ごすことが多い。家に帰ると部屋に食事が届いていた。母親が作って置いていった。図書館が休みの月曜日は、公園に行くことが多い。ただベンチに座ってぼーっとしているので怪しいひとと見做されてしまうこともある。この日は、女性に声をかけられ北町小学校の場所について聞かれた。賢人が出た学校だった。女性は木之内文代と名乗り、学校の先生に会いに来たと言った。賢人が学校まで案内したが夏休みで中に入れなかった。アパートの住人に少し前に学校を卒業した女の子がいたので先生の名前を言って確認したら5.6年のときの担任だった。女性は先生の昔からの知り合いで、自分が先生のことを裏切ってしまったと言いつつ、今でも先生のことを思い続けていると告げる。小学校は夏に学校を解放する日があることがわかり賢人はその日に一緒に学校へ行きましょうと約束をする。約束の日、ふたりは通用門から入り、引っ越ししてくる予定なので見学させてほしいと嘘をついて中に入る。文代さんは先生の顔だけ見て引き返した。賢人にはこれで気持ちの整理がついたと言って、新宿のラウンジ「ムーンライト」で働いていると告げる。飲食店に入り食事を終えて外にでて川沿いの遊歩道を歩くと文代さんが「私を月へ連れてって」と言った。

一夜にして世界が変わり、恋した男は無為徒食をやめて真面目に生きる道へ進んだというお話。


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