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読書を楽しむ「周木 律 楽園のアダム」

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600年前、大災厄により人類に伝染病が蔓延した

その結果、50年で人口は数百万人まで落ち込んだ

しかし人類は、この絶体絶命の状態から

機械の力を借りることによって

復興を成し遂げた

人類は「生業」に沿った集団を形成し

互恵関係を土台にして恒久の平和を享受している

知の研究を生業とする珊瑚礁の島の住人の物語である

珊瑚礁の島の6歳以上の人々はカレッジで知の探究に役立つことを学んでいた。ヤブサト助教授は生物学のエキスパートで大災厄で伝染病を免れた南極へ向かい生息する生き物の調査をシュイム学長の同意と許可を受け、航海や狩猟を生業とする人々と秘密裡に交渉し、汚れた茶色の体毛に覆われた獣を捕獲した。

20代半ばまでに多くの者は学生から研究生へ地位が変わる。そして研究成果と教育者としての資質が得られれば助教授になれ、指導者としての適性が認められれば教授へと地位が変わる。島では大災厄の後、残された知性を集結し、平等かつ合理的な判断を行うための人口知能を開発しカーネと呼んでいた。学生のひとりアスムは必死に研究生を目指していた。島の結婚の要件は夫婦のどちらかが研究生以上であることだった。アスムは幼馴染のセーファ結婚したいと願っていた。二人は旧研究棟で変な臭いを嗅いで中に入っていったら男が絶命していた。顔を見るとヤブサト助教授だった。ふたりはシュイム学長に報告した。学長は自警団に調査させると言った。ヤブサト助教授の研究テーマは哺乳類学だった。大災厄以前の時代は民族を軸として形成された国と呼ばれる集団を形成し自分たちの利益のためだけに働いていた。そして、人が人の命を奪うということが日常的に行われていた。島の住人は理性的で人間を殺す動物は生息していなかった。この島の動物でない何者かが、野蛮な暴力を振るった結果だと思われた。そして、また学生が死んだ。これは男がいなくても子どもをつくることができる世界の話。なんでこんなことになったのか?詳しくは本を読んでのお楽しみ。


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