映画を楽しむ 「孤高のメス」
ナースだった母親が亡くなり、息子が自宅で母の日記を見つけ読みます。
そこには、母が尊敬していた外科医との病院での様子が書かれていました。
その外科医は、田舎の市民病院にトランクひとつで現れ、これまで市民病院
ではできなかった手術を鮮やかにやってのけたのでした。
外科医の名は、当麻。
この病院では、手術がヘタクソな医師がいて、ミスすると大学病院へ患者を
送り込んでいました。
やがて、当麻は病院で信頼され手術は、大学病院へ患者を送らず、自分の
ところで手術を実施しました。
手術中に当麻は都はるみの演歌を流す変な外科医でした。
あるときナースの知り合いの息子さんが交通事故で脳死状態になります。
時を同じくして市長が肝硬変で倒れ肝臓移植をしないと助からない状態に
なります。
脳死状態の息子の母親は、当麻に生体肝移植を希望します。
脳死の判定が殺人に当たるのではないかと当麻を妬む大学病院の医師達が
マスコミに連絡して生体肝移植を妨害しようとしますが当麻は自分が勝手に
やったことにしてくれと言って病院長を説得します。
脳死した青年の肝臓を12時間の手術で市長の身体に移植することに成功します。
しかし、当麻は責任を取って病院をやめます。
やがて、ナースの息子がある地方都市の駅にトランクひとつで降り立ち
ある病院へ勤務のために向かいます。
その病院の院長室に案内され、院長が外出から戻るまで部屋の中を
見回していると母親が尊敬していた外科医と母親の勤務先の病院で
撮影した写真が机の上にありました。
孤高のメスは、腕に自信があって患者のためだけに働く医者の本来の姿は
こうあるべきだという見本の映画です。
医療映画もいいなぁと感じ入りました。