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読書を楽しむ「辻内智貴 帰郷」

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亡き夫の故郷へ行ってみようと妻は思った
夫は両親を早くに失い中学卒業まで親戚の家に
引き取られ不遇の時代を送った
その子ども時代に夫をわが子のように可愛がってくれた
近所の金持ちのおじさんに夫の死とお礼を伝えたい
夫は40年間故郷に帰っていなかった

夫と妻は同じ会社の社員交流パーティで知合った。
そして、3年後に結婚した。
ふたりのこどもを授かった。
夫は50を前にして工場長になった。
10年前、工場の階段から足を踏み外し強く頭を打った。
何事もなかったが医師が妻に脳波に異常があるといった。
頭を打ってから夫は故郷の話をしきりに口にするようになった。
そして、55歳で亡くなった。
妻は、夫が話していた故郷へ行ってみようと思った。

梅雨の時期に夫婦をテーマにした読書もいいものです。


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