読書を楽しむ「堺屋太一 団塊の後 三度目の日本」
団塊世代がリタイアした後の日本の姿を描く予測小説 東京五輪の5年後の2026年1月から物語は始まる。 2025年に首相に就任した徳永好伸は、五輪後危機的状態の日本を大胆な改革で 「身の丈に合った国」を創りたいと考えていた。 周りを気にせずに日本自身の幸せを追求したいという思いからだった。 日本が人口減少の低成長社会に入ったからこそ身の丈の国論が出てきた。 高齢者ばかりが増えて人口が減っていく状況を打開するため。 大阪では杉下知事がTVで別の改革を示していた。 日本は幕末維新と太平洋戦争で敗戦して復興している。 現在の危機的状況を脱するには三度目の日本を創らないといけないと言った。 そして、現在の敗北の原因は国民意識の低下「欲ない、夢ない、やる気ない」 からきていると言った。 安全安心な環境に入れられているとひとは遺伝子存続本能が潰れて子孫を 増やそうとしなくなるらしい。 なぜこうなったかは21世紀生まれの若者たちが現状に安住して危機感も なければ、希望も理想も乏しいからであり、この現状を打破するためには 大きな衝撃が必要であると。 無言の買い物、歩いて暮らせる街、医師と病院の世界への移住、大学の移出、 次世代日本人の移入、二都二道八州制など三度目の日本に生まれ変わるための アイデアがいろいろ書かれている。 日本はこれからどこへ向かうのか気にしなければ格差社会は続く。