読書を楽しむ「長岡弘樹 波形の声」
レコードには細かい波形の溝が刻まれている 谷村梢は小学校四年生を担任する補助教員だ。 「カニは縦にも歩けます!」と理科の授業で実証し、注目されたのは、 いじめられっ子・中尾文吾。 梢にスーパーで、ある教師の万引きを目撃したと告げたまま下校。 その日、文吾が襲われた。 襲われる直前、梢の名前を呼ぶ声を近所の人が聞いていたという。 梢に注がれる疑惑の目……。 (徳間書店 内容紹介より抜粋) 梢は正規担当が海外研修のために雇用された補助教員。 黒電話のベル音の携帯電話を持っているがあるとき、更衣室で間違えて自分と よく似た他人のジャケットに携帯を入れてしまった。 文吾が家で襲われたとき、お世話になった先生のために手作りで蓄音機を組み立て 寄せ書きレコードを作っていた。 犯人は生死を確認しないまま慌てて現場を立ち去ったことで文吾は一命を取り止めた。 梢は科学雑誌の付録についていた蓄音機を組み立てて学校に持って行って生徒に レコードを聴かせたことがあった。 失くした携帯電話、手作りの蓄音機とレコード、そして万引き犯。 うまいストーリーの組み立てで短編ながらさすがというお話になっていた。 小学生であれば理科で蓄音機とレコードがつくれることを知った。 紙コップ、カッターの刃、厚紙、画びょうがあれば作れる。