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読書を楽しむ「片岡義男 白い指先の小説」

CIMG3366.JPG                                  小説は女性たちの白い指先から生まれるという物語                                        四月の半ばの夏のような暑い日に柳原修平は自分と同じような年齢だと                      思われる女性を見た。柳原は26歳だった。                                          バスを降りた時に前を歩いていた女性は商店街の準備中のカードが                                      吊るしてあるスナック・バーの中に入った。                                        柳原の職業はカメラマンだったので女性を見る時は写真モデルを                                            点検する目線になっていた。                                           彼の自宅はスナック・バーの先にあり両親と住んでいた。                                       数日後、バスを降りた時に高校時代の同級生に声をかけられビールでも                                         飲もうということになり先日の女性のことを思い出しスナック・バーに入った。                             先日の女性はカウンターの奥にいた。彼女は美砂子と名乗った。                                  一週間後、また同級生と同じ店に行った。                                    それ以来、近所の様々な場所で柳原は美砂子に偶然に会うことがあった。                          渋谷の古書店で会ったときは三冊の小説本を美砂子は持っていた。                    美砂子の指先は白かった。                                            美佐子は本を読んだ後、このあとどうなるのかを考えるのが好きだった。                  彼女はノートに感想を書いていた。                                     感想を書いているうちに、自分でも小説が書いてみたくなるよと柳原は言った。              柳原は広告代理店から夏の生ビールのポスターを依頼されモデルを美砂子に頼んだ。                    彼女はOKしポスターが出来上がり、柳原は写真撮影で2ケ月間日本を離れた。                           帰国し同級生から飲みに行こうと誘われ美砂子の店に行ったら母親の看病で                 美砂子は鹿児島の実家へ帰っていた。彼女とはそれっきりになった。                   この物語は、次に柳原が27歳になり今度は小料理屋で和服の似合う女性・                    美衣子と出会う。そして、彼女が小説を書きたがっていることを知る。                           彼女も白い指先をしていたがお店が閉店になり、それっきりになった。                  3人目の女性は高校の同級生で女性だった。彼女の名は美紀子。                     母親が料理学校の先生をしていて彼女は助手をしていたが辞めて、小説を書く                  ために、今はひとり暮らしをしていた。                                     柳原が出会う、白い指先の女性はみんな小説家を目指していた。                     小説は白い指先から生まれるという素敵なお話でした。


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