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読書を楽しむ「夕木春央 絞首商会」

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村山邸の庭で法医学の一大権威・村山鼓堂博士の殺害屍体が見つかった

村山家の住人は二月前に急逝した施主の村山梶太郎博士を叔父に持つ水上淑子と書生の宮尾一郎とふたりの女中だけだった

この家には3年前に泥棒が入り梶太郎博士の書斎の金庫から現金を盗んだ

その泥棒の名は蓮野といい帝大法科大学を出て銀行に就職したが5ケ月で 人間嫌いになり、銀行を辞めて人に会わない泥棒になり3年前に捕まり、 去年の6月まで投獄されていた

和洋入り交じる大正の東京。
秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる
血液学研究の大家・村上博士が刺殺された。
不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、
鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、
遺族が解決を依頼したのが以前村上邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。
頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた
四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――。

(講談社内容紹介より抜粋)

蓮野は逮捕後に赤坂で両親から継いだ家を売って、世田谷の外れに住み、知人の伝手で翻訳の仕事で生計を立てていた。友人は画家の井口朔太だけだった。ある日、蓮野の家を水上淑子夫人が相談があるからと言って訪ねた。夫人は村山邸で起きた事件のあらましを説明し、現場に蓮野の指紋が残っていたと伝えた。指紋は棚に置いてあった手紙についていた。その手紙は梶太郎博士のもので鼓堂博士のものではなかったが勝手に持ち出されていた。夫人の話では半年ほど前に新橋のレストランで叔父と近所に住む宇津木氏、生島氏、白城氏と夫人で食事をしていたときに青年がひとりで入ってきて「ハルカワさんに取り次いでいただきたい」と給仕に言い店の奥に案内された。その青年が一月くらいして爆弾魔として新聞に顔写真が出た。夫人は叔父が無政府主義者で国際的な結社・絞首商会に所属しているというような外国郵便を見せた。そのことに気付いた鼓堂博士が告発しようとして殺されたのではないかと疑っていた。夫人はレストランの食事に参加した4人の中に犯人がいるという。そして蓮野に犯人を探偵として見つけだして欲しいと依頼する。

事件が起きて、探偵が登場するお決まりのパターンで容疑者も絞られていて、ここから先は本読んでのをお楽しみ。


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