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読書を楽しむ「安藤祐介 逃げ出せなかった君へ」

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ビジネスチャンスは24時間365日至るところに転がっている

株式会社ハッピーインベストメントの1日は長い。朝から夜は投資用マンションの電話営業及び法人への飛び込み営業。民家への飛び込み営業は深夜と早朝に行われていた。社員はGPS付き携帯電話を自腹で購入し、管理職の人間は居場所や行動をチェックしていた。4月の同期入社は20人以上いたが3ケ月で9人に減っていた。夏野、大友、村沢の3人は終活失敗組で大学卒業間際にこの会社に滑り込んだ。蒸し暑い深夜、事務所の床に死体が3つ転がっていた。事務所の床に転がって眠ることを「死体になる」と呼んだ。休む間もなく会社に泊まり込む毎日。心身共に疲弊しきった三人は、ある日思い立って深夜の居酒屋に向かう。非人間的な毎日のなか、一杯の生ビールで久しぶりに人間らしく笑い合えた三人だったが、来る日も来る日も営業で拒まれ続け、会社で罵られ、精神が麻痺していた。極悪上司に目を付けられて過酷な追い込みにあった夏野は自殺し、大友は退職届を出し、ICレコーダーを忍ばせて地獄の朝礼を録音してネットの掲示板へ。そして村沢とは音信普通になった。夏野は<俺はつまらない人間なのか>という言葉に執着していた。 つまらない人間などいないが呪縛に我を忘れるひとはいるかも知れないが企業に殺されてはいけない。(BOOKデータベースより一部抜粋)


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