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読書を楽しむ「五條 瑛 蝶狩り」

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浜松町の東京湾に面した倉庫街に桜庭調査事務所がある

仕事は探偵業で桜庭が所長兼所員を務めていた

新潟在住の女子高生・宮本いずみが家出をして兄・宮本浩二が探偵を頼って事務所を訪れた。いずみの写真を見せられると街を歩く女の子が穿いているコットンパンツとレース飾りのキャミソール、それにサンダル。髪型はテレビで見る若いタレントと同じだった。東京と言う花園に引き寄せられる蝶は多い。そこには街が放つフェロモンがあり蝶は夢中になる。蝶たちは流行に忠実で、大きな夢も野心もない。飛びぬけた才能も個性もなく、世間に流されるままに安い値段で自分自身を切り売りしている。地方から出てきた娘が最初に行く場所は、渋谷か新宿と決まっている。桜庭がこれまで調査した家出少女の多くが渋谷で見つかるか痕跡を残していた。渋谷では見栄が良くて口がうまい男に誘われて、食事を奢ってもらい、寝床も提供してもらって、簡単で保証人もいらない仕事を紹介される。家出少女のお決まりコース。見つけ出しても、また彼女たちは東京に戻ってくる。桜庭はなじみのキャバ嬢・キリエに渋谷で女の子を捜すなら密を求めて飛び回るミツバチ聴くことだと教えられる。ミツバチは街に立っているスカウトの男たちのこと。この蝶狩り、結果は本を読んでのお楽しみ。



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