SSブログ

読書を楽しむ「矢野隆 戦神の裔」

DSC01751.JPG

源九郎義経の物語

五条大橋での武蔵坊弁慶の出会いから始まる。義経の父は平氏と戦った源氏の棟梁・源義朝。平清盛との戦に敗れ都を追われ尾張国で裏切りにあい死んだ。義朝の子の多くは討たれ三男の頼朝は伊豆に流され、義経は九男の末っ子だった。ふたりはいま奥州の平泉の藤原秀衡の館に身を寄せていた。奥州人を都の公家たちは北に住むものたちを蔑して蝦夷と呼んだ。義経は藤原秀衡に平氏打倒の兵を挙げて欲しいと頼んだが返事はなかった。義経は弁慶と奥州を出て伊豆で兵を挙げた源頼朝の元へ。奥州から継信と忠信が義経の仲間に加わった。上野国では盗賊の頭・三郎が仲間になった。頼朝と義経は兄弟ではあるが母が違った。義経は頼朝に清盛の区部を取りましょうと進言するが頼朝は返事を避けていた。頼朝の側近の北条時政が義経に都に攻め上がり平氏を滅ぼすより、関東の地盤を盤石にすることが先決だと諭した。言葉通りに関東は平氏の手が届かない地になった。義経には兵が4人しかいなかった。頼朝の弟という生まれに関東の武士は嫉妬して自分たちの頭を飛び越えて上に立たれることを嫌っていた。源九郎義経の人生は兵を持たない無力さに振りまわされ平氏討伐の挙兵の時を得ても戦神の力で乗り越えただけで誰からも称賛されることなく僅かな身内だけにしか義経は理解されなかった。そんな男の戦ぶりを知りたい人にはお勧めです。

 


共通テーマ: