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読書を楽しむ「萩耿介 食われる国」

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2050年、国家の中に別の国家ができ

少しずつ拡大していった

人口が減って、中国なしには成り立たなくなり

寿司チェーン店もコンビニも、病院や介護施設も

中国資本が入り込んだ

私立立大学は学生の減少で経営難に陥り

中国人留学生からの学費で成り立っていた

刑務所までも人口の減少で看守や職員が不足し

民営化されたが運営会社は中国だった

ウィグル人拉致失踪事件を追う池袋署の刑事・谷悠斗は横浜の中国資本のカジノで嵌められ懲役2年の刑を法廷で言い渡された。審判を下したのはAIだった。裁判官は公判の進行を担うだけで、AIの判決文を読み上げるだけの存在になり下がった。谷は黒羽教育センターに入所し刑期満了まで教育プログラムを受けることになった。連れていかれた部屋には毛沢東と習近平の肖像画があった。このセンターも中国資本の未来集団が運営していた。鉄格子の雑居房に作業着に着替えて入りM104 と呼ばれた。同じ房にウィグル人がいた。大型ディスプレイでは日中戦争を題材にした映画をみせられ、中国が日本の侵略で被害を受け、苦しめられたかを描いていた。センター内では豚の餌やりや金属板の四隅にねじ穴を開ける作業をした。ソーラー発電のパーツだった。教育センターに収容されている人間は、中国に対して敵対的と判断された人間ばかりだった。ここで共産主義教育と単純労働をさせて、社会に送り出し、中国を賛美するようにすることだった。武力を使わずに支配でき効率もよかった。運動場から焼却施設が見えた。焼却施設は処理するものが溜まったときだけ動かしていた。噂では死人の手足を見たひとがいるらしい。運動場ではロボットと人間の鬼ごっこも行われ服役囚が兵器ロボットの標的にされた。谷は3ケ月の独房生活を経て看守見習いとなった。すべては運営会社が決めていた。谷は何も選べず、求められるようにしか生きられなかった。洗脳とも言える教育の果てに「未来集団」の一員として、日本国土の買収を繰り返すことになるが・・・。国が食われるとはこういうことだということを知りたい人にはお勧めです。


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