SSブログ

読書を楽しむ「竹本健治 話を戻そう」

DSC05796.JPG

舞台は幕末の佐賀藩

岸川町に商人屋敷があり、梅雨明け間近のある夜、亥の刻頃、奥方の寝所で雨音に混じってかすかな物音が聞こえた。カサカサカサカサという何かを引っ搔くような音だった。天井裏をネズミが走り回る音ではない。音は天井から聞こえるような気もするし、壁から、床下からという気もする。音はしばらく続いた後、ふっと掻き消え、また続くという繰り返しだった。音は半刻ほどして消え去った。いったいなんだろうと、どんどん気になっていった。この謎を解くために聴診器が使われた。(商人屋敷の怪)

武雄の鍋島家では、平山醇左衛門を長崎に住む高島秋帆のもとに洋式砲術を学ばせるために入門させた。醇左衛門は武雄における砲術の第一人者になり、佐賀藩の砲術指導と大砲鋳造のために藩に取り立てられた。そんなときに大事件が持ち上がり南町奉行と老中・水野忠邦が謀反の企てで、高島秋帆が逮捕・投獄された。醇左衛門も半年の投獄の末、打ち首になった。醇左衛門の罪は砲術に関する秘密を他に漏らしたといことだった。ところが醇左衛門が打ち首になったのは全部大仕掛けの手妻(てじな)ではないかという仮説が出てきた。(斬り落とされた首)

怪異なお話の続きは本を読んでのお楽しみ。


共通テーマ: