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読書を楽しむ「カーター・ディクスン 五つの箱の死」

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五つの箱とは投資仲介人のフェリックス・ヘイが

弁護士事務所に預けていた小さな箱のことだった

その箱はヘイが死んだときに弁護士によって

開けれられることになっていた

午前1時にハリス毒物学研究所のサンダース医師は、ある毒殺事件の報告書を提出するための作業が終わり研究室を閉め外に出た。赤煉瓦造りの家の街灯のそばに若い女性がいて呼び止められ、この建物の明かりが灯っている部屋に一緒に行って欲しいと懇願される。玄関を入ると一階は公認会計士事務所で、二階は不動産屋で、三階はイギリス=エジプト輸入商会で、最上階の四階はミスター・フェリックス・ヘイと書かれていた。明かりがついていた部屋は四階のヘイの住居だった。ヘイの部屋のドアは開いていて細長い食卓の周りに4人が座っていた。イヴニングドレスを着た女性、白髪の男の老人、中年男性、赤毛の巨漢の男性。麻酔性毒物を飲んでいるような症状が全員に見られた。その中の赤毛の巨漢の男性が背中を刺され死んでいた。若い女性が探していたのは中年男性の父親で外科医のデニス・ブライストン卿だった。赤毛の巨漢の男性は投資仲介人のヘイだと若い女性が言った。サンダースは輸入商会から出てきた男ファーガソンに電話を借りて地元の警察に連絡した。ブライストンは頭の手術では有名な外科医だった。イヴニングドレスの女性は美術評論家のシンクレアで、白髪の老人はバーナード・シューマンでイギリス=エジプト輸入商会の経営者だった。ファーガソンが奇妙なことを言った。4人は誰もが金持ちで、有名人だが、彼らは全員が犯罪者で、中には人殺しもいる。ヘイ以外の3人の衣服におかしなものが入っていた。ブライストン卿には四つの時計、シューマンは目覚まし時計のベルの仕掛け、シンクレアは生石灰の壜と五オンス入りの燐の壜。

なんとも奇妙な事件を解明するためにロンドン警視庁は陸軍省情報部長のヘンリー・メリヴエール卿を呼び寄せた。

3人はヘイから呼び出され出かけ、全員がカクテルやハイボールを飲んでいた。翌朝、ヘイの弁護士事務所から泥棒が入り、ヘイから預かった五つの小さな箱を盗まれたと警察に届け出があった。楽しいパーティーで毒を盛ったのは誰か?ヘイを殺したのは誰か?4人全員、犯罪者だったのか?フェリックス・ヘイには秘密があった。彼はまっとうな実業家だが、彼は知り合いの秘密を暴くことを趣味にしていた。飲みものを美味しくするために、絶対に必要なものは何か?読むことでお楽しみは限りなく続く。


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