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読書を楽しむ「和田秀樹 わたしの100歳地図」

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現役を引退すると

人生の目的が長生きになってしまう

そのために「健康」を目指して

多くの楽しみを犠牲にしている

人たちをたくさん見かける

食べたいものも食べず

無理な運動をしている

63歳の精神科医が自分の老後の過ごし方

生き方について100歳までの人生を

どう生きていこうかと考えた

大学受験がうまくいくひとは、親もいい大学を出ていて、その親が受験の仕組みを知っているから子どもにしっかり勉強をさせることができる。勉強のやり方を身につけたことで、著者もその後の人生で大いに役立ち資格試験にも合格した。やり方を知るということは、どんなことにも応用できるので齢をとって、何かを目指して効率的に達成することにも役立つ。

自分の人生は毎日が実験だと思って過ごし、自分のやりたいことを試す、失敗したら、つぎはうまくいくようにやり方や考え方を変えて、失敗を次に生かす努力をする。60歳までに、いろいろ試さずに諦めてしまうひとが多すぎる。

60歳を過ぎたら、これまで手に入れた地位や名誉は手放して、自分が好きなものを見つけ出す。肩書や社会的地位よりも自分のやりたいことをやる。嫌なことはできるかぎりしない。医師に嫌われないように、医師が出した薬や手術案について鵜呑みにしない。嫌だと思っている治療は断るくらいの考えが必要。持っているお金を使おうとするだけで脳の老化が最初にはじまる前頭葉が活性化するので老化防止のためにこれまでやっていないことをやる。

70代は同じ70代でも個人差が大きい。体力や気力が見た目に現れる。そのためには少しでも興味のあることに挑戦し続ける。ボケないために自分のために貯めてきたお金を使い人生を楽しむ。認知症になり、症状が進んだらお金は自由に使えなくなる。子どもや孫に財産を残すために、自分がしたいことを我慢したり、節約したりすると、かえってストレスをためることになる。ITは道具で、AIは人工知能。ITは使い方を覚えなければならないがAIは困ったときにお願いすれば、必要なものを出してくれる。AIの未来は高齢者の困ったときのお願いがアイディアになりそこにビジネスチャンスが生まれる。

80代は70代に比べると病気や死というものをリアルに感じる。血圧や血糖値、コレステロール値は一般的に治療が必要とされる数値だが80代を快適に暮らすなら治療を受ける受けないは自分で判断する。自分で人体実験をする。この年齢になるといつ死ぬかなんて誰にもわからないから。日本人は先々に対して不安を感じやすい。その不安を少しでも解消するには、実際に起こりえることを予測すること。自分が知らないことや経験がないことで不安が生じたら不安の正体を突き止める。ガンを心配する人は、自分がガンになったら、どこの病院でどんな治療を受けるとか準備する。なってしまうことを前提に事前に解決策を準備する。認知症に対しても同じように考える。ガンが見つかっても治療は受けない。ほうっておいても何年かは楽しく生きることができる可能性があるから。治療に苦しんで、転移に気を病んで、これまで通りの生活ができない選択をしない。専門医はガンをとることが仕事で、手術をすれば長生きできる可能性を示すが、術後のリスクについては何も言わない。80代後半からは、どんどんできないことが増えて、ひとに頼らざることが多くなる。その時は、ありのままの自分の老化を受け入れ、素直に助けの手を借り感謝の気持ちを伝える。補聴器やおむつも、自尊心や羞恥心を捨て、利用できるものは素直につかうことで気持ちに余裕が生まれる。

100歳になれば体も病気のデパートになるが患者の生活スタイルを考慮しない医療に対し、著者は疑問を持ち、自らを人体実験し、問題なく日常生活が送れるなら、数年後に病に倒れるリスクがあったとしても、いま無理して苦しむよりも調子のいい方をとることにしている。人体実験はしているが各種の検査はして健康観察する。実験だから失敗は恐れない。結果としては自分の判断にかける。長生きを目指すのではなく、自分の生きたいように生きて、その結果として長生き出来たらラッキーと思えばいい。そういうことが書いてある。生き方のひとつの指針でもある。


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