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読書を楽しむ「金原ひとみ ハジケテマザレ」

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女4人の中のひとり・真野がタクシーの車中で

荒んだ団地の屋上にある貯水タンクに溜まった

塩酸に飛び込んで4人がひとつに

混ざってしまえばいいと

変なことを言った

そうしたらマナツさんが昔のアニメで「ベジータが気で人工的に月を作って、それで大猿に変身するシーンがあって、その作った月を空に投げるときに言うセリフ」が「ハジケテマザレ」だった。

去年コロナで派遣切りに遭った真野が辿り着いたのはイタリアンレストランだった。そこにはマナツさんとルイコさという二人のベテラン店員と別れた人と付き合っていきたいというメイちゃんがいた。緊急事態宣言で行き場をなくしたベテラン店員が控室を簡易居酒屋的な場所にした。キッチンの冷蔵庫の一角であらゆる酒類を冷やしてあった。そこでメイちゃんの別れ話が話のネタになりはじまり、マナツさんとルイコさんの同棲疑惑に話が移り盛り上がっていると終電の時間だとルイちゃんが言ったが、まだまだ飲もうよという話になり始発までいることになった。つまみが必要になり焼鳥屋へ電話を入れてデリバリーした。働きアリの法則の話から真野の日常生活の話になり、メイちゃんの元カレが彼女と別れましたと動画を上げたので4人はタクシーでメイちゃんの元カレのマンションへ向かい元カレから別れ話の経緯を聞いて、元カレが浮気をしたことを聞きだした。メイちゃんは元カレに復讐してそれを動画に撮ってユーチューブにアップして、”はじけてまざれ”というタイトルでフォトコンテストに応募して賞が出たら4人で一晩で使い切ろうと決めた。そして4人はタクシーで帰路についた。このバイト小説はありふれたコロナ化の日常を描いている井戸端会議みたいな感じがした。こういう面と向かってなにかをするということが若い人には必要なことだと高齢の暇人は思う。


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