SSブログ

読書を楽しむ「丸山正樹 夫よ、死んでくれないか」

otutoyo.jpg

結婚してからずっと

そのことばかりを考えていた

夫よ、死んでくれないか、と―

誰も、妻の心のうちを知らない。知ろうとしないが妻は考えていたというお話。

璃子、友理香、麻矢は大学を卒業し就職し、最初に璃子が結婚し、続いて友理香が結婚し、最後に麻矢が結婚した。仕事や私事で三人が会うのは久しぶりだった。璃子はフリーランスでライターの仕事をしている。麻矢は大手不動産会社に勤務していた。友理香は結婚して7年目だが夫が11歳年上で子どもの面倒もみないし、家のことにも一切手伝いをしなかった。璃子の結婚は1年と続かなかった。一目ぼれで一緒になったが入籍した途端に夫の態度が変わった。麻矢の夫はふたつ年上で異業種合コンで知り合い結婚したが結婚5年でお互いへの関心が消え失せていた。1年前から別々のベッドで寝るようになった。この3人は普段から「夫が死んでくれればいい」って言い合っていた。

そんな時に、由香里が夫と喧嘩をして、死ねって突飛ばしたら意識がなく、璃子と麻矢に助けを求めた。夫は気を失っただけで意識を取り戻したが逆行性健忘になり、喧嘩の前後からその前のことは思い出せなくなっていた。そのことで由香里の夫はひとが変わりいい人になってしまった。

麻矢宛に夫の会社から電話が入り、夫が出勤していないことを知った。夫は2日も無断欠勤していた。3日目に警察に「一般行方不明者」として届け出た。夫の失踪について麻矢は心当たりがなかった。携帯が着信のメールを知らせた。差出人は夫だった。画像が添付されその画像には夫と璃子が写っていた。会社からも夫からメールがあり無断欠勤のお詫びと長期休暇の申し出が書かれていたと聞かされた。麻矢は璃子に会い、画像を見せて経緯を聴いたら去年の夏に恵比寿で買い物をしていた時に声をかけられ、かけた男が麻矢の夫だった。夫が一緒に写真を撮ろうと言って撮った写真でその時、璃子は夫が写真を麻矢に送信したものと思っていたが麻矢でない人物に送られたということが判明した。夫の携帯を自由に使うことができる人物が麻矢や会社にメールを送ったのではと考えた。

由香里の夫の記憶が戻り、夫が3人に警察に被害届を出しに行くと言われた。そして3人は慰謝料として1000万を請求された。

警察から麻矢に夫の財布が公園のゴミ箱で発見されたと連絡が入った。警察は事故や事件に巻き込まれたのではと言った。やがて夫のパソコンから夫がオンラインゲームをしていることを知り、そのゲームつながりで麻矢の兄がゲームの仲間だった。麻矢が兄に夫のことを聞くと「夫は、麻矢が自分のことを死んでほしいと思っていて、大学の同級生とそう言い合っている」のを聞いて家を出たと教えた。3人しか知らない会話を誰が夫に知らせたのか?

由香里の夫への慰謝料の期限の日がきた。追い詰められた3人が起こした行動は、本を読んでのお楽しみ。



共通テーマ: