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読書を楽しむ「織守きょうや キスに煙」

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志藤聖と塩澤詩生がはじめて会ったのは中学生の時だった

きっかけは、男子フィギアスケートの大会

塩澤はこのころには男も女も恋愛の対象になるとは気づいていたが、志藤は好みのタイプではなかった。しかし、塩澤は志藤の演技には魅了されていた。志藤が世界ジュニアで優勝したとき、偶然に目が合い握手を求められそれに応じた。それ以来、志藤と塩澤は仲良くなった。ふたり揃って表彰台に上がることが増えていった。塩澤は25歳で引退し、もともと所属していた会社のデザインチームに入った。これで志藤との関係も終わるかも知れないと思っていたら引退後の食事会で会い、さらに1週間後にまたうまい蕎麦を食べに行こうと誘われ友人関係は続いた。

現役時代に交友のあったスケーターで、オリンピックで入賞経験もある選手・アレックスが自宅バルコニーから転落死したニュースをスマホのニュースで塩澤は知った。塩澤は現役時代と引退した後にアレックスと寝たことがあった。ホテルで偶然会った時に3度目を誘われたがその時はアレックスの娘が塩澤の会社に入社したので断った。

志藤がアイスダンスに転向し衣装デザインを塩澤に依頼した。志藤と塩澤はアレックスの娘・絵梨世の結婚式に呼ばれ出席した後、志藤が塩澤を自宅マンションに誘った。酒の勢いで塩澤は志藤に「おまえとセックスしたい」と告白した。塩澤は志藤に恋をしているが志藤が同じ感情を持っていないことは理解していた。志藤は「あらゆる人類の中で一番好きかも知れない」と言った。塩澤はこの話の行きつく先に不安を覚えたが結果は万事に事なきを得た。

志藤が寝ているときに塩澤はチェストボードの引き出しを開けてしまい、塩澤が失くしたブレスレットとアレックスがフランス大会で優勝した時の金メダルを見つけてしまった。塩澤は志藤がアレックスのマンションへ行ったことがあると思い込み、アレックスの死が他殺かも知れないと考え始めた。恋は盲目で思い込み始めたら止まらず、一寸先は闇。もしかしたら志藤は殺人者なのか?結果は本を読んでのお楽しみ。


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