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映画を楽しむ 「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」

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太宰治の作品です。
時代は昭和21年。

ひとりの男が逃げている。
男の名は、大谷。
作家である。

自宅に逃げ帰った大谷は、妻に声を掛けられる。
そこへ玄関から大谷さんと声が掛かる。
妻が玄関を開けるとひとりの女性が立っていた。
その女性の脇から男が現れ、大谷さんが店のお金を
盗んだので返せという、大谷は、ナイフを出して家から
どこかへ逃げ去る。

妻は、玄関に現れた夫婦を家に入れて事情を聞く。
妻は、佐知と名乗る。
夫婦は、中野で小料理屋をやっているという。

夫婦の話だと大谷はあるとき夫婦が営むお店「椿屋」に
裏口から入ってきて酒を注文し100円札を置いて帰っていった
という。
ところが大谷が金を払ったのは、そのときだけで来ては酒を
飲んでいたと話す。
そして、今日は店の金5000円を盗んだという。
佐知は、あばらやに住んでいてお金など返済できるような
状況ではなかったが明日には返すといって夫婦を一旦帰す。

ヴィヨンの妻は、夫の借金を妻が返すために椿屋で働くことと
佐知と大谷が一緒になったきっかけを佐知が話すことと
佐知に恋心を寄せる男の話と大谷が愛人と心中する話などで
ストーリーが展開されています。

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大谷は、自堕落な男で妻以外の女性と心中したりして妻を
困らせます。
それでも妻は、夫のために尽すという現代では信じられないような
話です。
ただ、強い女性の生き方のひとつとして、こういう尽し方もあるのかな
と否定しなければ妻は幸せなのかも知れません。

背景が退廃的な時代でありアンニュイな気分に浸ることができました。

ご夫婦で観ることをお勧めできる映画です。

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