映画を楽しむ 「家族の庭」
イギリス映画です。原題は「別の年」
地質学者の夫と心理カウンセラーの妻の家族のお話。
ピアノが静かに画面に流れて映画は始まります。
ふたりは休日に市民菜園を楽しんだり、夫が料理を作ったりして
とても仲の良い初老の夫婦です。
映画は、この夫婦の家庭を訪れる妻の友人の女性や夫の友人の
男性、息子、夫の兄貴などとの交流を春夏秋冬の順に描いています。
妻の友人は、離婚してずっとひとりで寂しさに耐えて生きています。
夫の友人も同じような境遇でした。
息子は30歳ですが恋人がいませんでした。
兄貴は、妻に先立たれ、その息子は親の面倒を見ることをいやがり兄貴は
途方に暮れていました。
いろいろな境遇のひとたちがこの夫婦の家に集まると和やかになります。
しかし、この夫婦以外のひとびとは1年が経ってもこれまでと変わりません。
カウンセラーの妻が冒頭で患者さんに言います「幸せだったときを思い出して」と。
映画は一組の幸せな夫婦を通して境遇の変わらない人にこのメッセージを
伝えたかったのかも知れません。
緑がきれいな季節に観るには丁度いい映画です。