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読書を楽しむ 「北欧のノーマライゼーション」

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社会福祉制度が進んでいる北欧の高齢者の暮らしを知る

日本の社会福祉制度は、まだまだ発展途上である。
普通に生活するのが困難なひとに対して社会福祉が万全でないと
考えている。
そこで、海外の福祉制度について学んだ。

ノーマライゼーションとは、知的障害のあるひとも、身体の不自由なひとも
認知症の高齢者でも、どんな立場のひとであっても等しく社会に参加でき
普通に暮らす権利がある社会を実現する取り組みをいう。

北欧では、住居等に段差があれば、すみやかに対策処置を講じなければ
ならないという法律が規定されていて、対象は公共の建物全て。

北欧の国では、男女を問わず18歳になると独立して親元を離れ自立するという
考え方が国民に根付いている。
高齢者になると高齢者住宅(シニア住宅)に介護を必要としない高齢者が住む。
高齢者住宅は町の中心に建設され社会や地域との関わりがある場所に用意
される。
理由は、自分たちでできることは自分たちでやるという考えからきていて駅に
近く、隣に地域医療センターがあって定期的に健康チェツクを住人は受けている。

介護が必要になった高齢者にはグループホームが用意されている。
グループホームは自宅の延長という位置づけで自宅にいるような生活の場という
環境になっている。
安全、安心、快適性を重視し終の住まいとして安住できるようになっている。
共同スペースがあり一緒になって共同作業をすることで認知症の高齢者の自立を
促しているとともに日常の生活行為がリハビリテーションになっている。

社会保障システムの基盤については過去の世界的大恐慌でひとびとが互いに
助け合って生きることの大切さを学んだことが前提になっている。
日本は経済大国であるが福祉については後進国。
北欧の国は、経済成長はゆるやかだが国民生活の福祉の分野では最も充実した
福祉大国。

女性の社会進出の対策は、「個人ではなく、社会全体で支えるべき問題」として
捉えられていて国や道府県や市町村が働く女性に代わって介護を必要とする
高齢者を支えている。
また、国への納税者に対しては認知症のひとでも誰でも福祉サービスを
受けることが当然の権利として認められている。
だから、一人暮らしでも介護が必要になった高齢者でも暮らしに必要な機能が
すべて整っている。

北欧では、家族が介護に困り果てて施設に入れるという状態をみて自分たちの
老後もこれでいいのかという問題に対し事実に向き合って現実的な方法を考え
今日に至っている。

日本の政治家や行政は、なにをしているんだろうと思ってしまう。


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