読書を楽しむ「森福 都 琥 珀 枕」
中国の県令のひとり息子・趙昭之の塾師はすっぽんの徐庚先生だった 長年にわたって古井戸に住み、前途有望な少年に学問を授けていた 先生は陸に上がると老人の姿に変身し、世間を覗き見していた 世間では、人々の欲が絡みの事件が起きていた 安旅籠で相部屋となった男は王万徳と名乗り薬枕を売り歩いていた。 笛吹の祭周南は薬枕売りの男の身の上話を聞いた。 万徳は自宅に人並み以上に別嬪な妻・紅珠を残して旅に出たが妻が浮ついたところが あり、夫の留守に男に言い寄られればなびいてしまいそうで心配だと言った。 そこで周南は妻への伝言を頼まれる。 妻への伝言は「おまえには見張りがつけてある。天にはじる行いがあれば、 見張り役が黙っていないぞ・・・」と、釘を刺して欲しいとのことだった。 周南は万徳の自宅を訪ねたら今朝がた殺人があったと告げられる。 亡くなったのは万徳の異母兄・雲国だった。 周南が事件を調べ始めると万徳は父親から遺産を受け取り独り占めしていたらしい。 その隠し場所を知ったために殺されたのではないかと噂が飛んでいた。 雲国が死んでいた寝間には万徳が妻の持病・頭痛が治るようにと琥珀枕が 置かれていた。 別嬪な女、莫大な遺産こんな話を聞かされれば男は欲を出す。 女も遺産も手に入れようと欲をかいたら自滅ですというお話。