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読書を楽しむ「山田宗樹 人類滅亡小説」

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見和希市(みかずきし)を中心に死者は496名を数えた

ほとんどは屋外にいた人々だった

惨事の原因は世界で最初のコロニー雲による人的被害だった

その雲は濃い赤いインクを流し込んだような色をしていた

雲の中では微生物が異常に繁殖し二酸化炭素が高濃度で蓄積し

それが地球の温暖化を加速し、人類が住めない環境になる

微生物の呼吸によって酸素が消費され

大気中の酸素濃度が急激に低下すると

ひとは酸欠状態になり窒息死する

そして、誰かが囁く「人類が滅亡するかもしれない」と・・・  

見和希市で起きた惨事から20年が経って酸素の減少速度は当初の想定を上回っていた。街では有害気塊降下警報が発令されると指定の場所への避難が行われた。コロニー雲の出現を神の御業と解釈する宗教団体も現れ、肉体を捨て、魂だけになって宇宙へ飛び立とうと集団自殺を図った。地上の酸素が足りなくなることに備えて各国は10万人規模の密閉型巨大居住施設シールドポリスの建設をはじめた。日本国内ではシールドポリスの第一号の建設地に見和希市が選ばれ”みかずきⅡ”と命名された。完成に要する歳月は13年と想定されたが建造には膨大な費用がかかり建造できるシールドポリスは二つ三つと言われた。滅亡へのカウントダウンが進む未来なき世界で、人はどう生きるのか? 若い人は一読しておいても損はない。


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