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読書を楽しむ「エトガル・ケレット 銀河の果ての落とし穴」

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28の短編集の中の6篇が「銀河の果ての落とし穴」

脱出ゲーム「銀河の果ての落とし穴」マネージャー セフィ・モレ宛てにミハエル・ワルシャヴスキからメールが送信された  

脱出ゲームの評判を聞いたイスラエル人ミハエルが来週の木曜日に障がいを持つ母と訪問したい、車椅子でもアクセス可能かという確認メールだった。セフィは問い合わせに対しアクセス可能であるとの回答とともに木曜日はホロコースト記念日のためゲームの営業をしていないことを返信する。

返信に対しミハエルは営業して欲しいと回答する。セフィは記念日はユダヤ人が恐ろしい出来事と向き合う日として設定されたものであり、ゲームを営業することに違和感を覚えると回答する。

ミハエルは母を車椅子生活にさせたのはナチスであり、脱出ゲームの謎解きでホロコーストの記憶に苦しむ母の痛みを和らげたいと主張する。セフィは脱出ゲームの営業停止は市の条例により国の黙祷の日には娯楽施設の営業を停止することが定められていると理解を求める。脅迫を伴った要求をミハエルはメールで続ける。そして読者は気付くホロコーストが起きる要因を、そんな趣旨ではないかと思っている。


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