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読書を楽しむ「香山リカ 看取りの作法」

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介護や看取りの問題に直面しつつある人たちが

考えておかなければならないことは何か? 

著書も父親を82歳で病気で亡くしている。60代で膵臓切除手術を受け、80代で糖尿病性の腎臓障害だ起きた。著書は東京と入院先の小樽を行き来し遠距離看取りをした。最近は在宅看取りを世間的には推奨しているが在宅療養で突発的なことが起きたら家族が対処できない不安があり、病院で看てもらうことを考える家族もいる。訪問介護や往診があり安心という言われ方もしているが家族のストレスを考えるとケースバイケースであるらしい。災害や事故にあわなかったとしても、何らかの身体的異常が突然起きて、予期しなかった死を迎える可能性が高いということを医者は言っている。昔は病院で最先端の医療に囲まれて死ぬか、自宅で家族に看取られて死ぬかというような選択などできるわけもなく、やってくる死をそのまま受け入れるしかなかった。社会が豊かになったからいろいろな選択値が現在はあるということになる。結局、親の看取りに関しては、なるようにしかならないと考えるしかない。心残りや後悔があったとしても、世を去った親が子どもたちに「自分が死んだ後も後悔や反省をしながら人生を歩め」とは言わない。「早く立ち直って、自分自身の人生を歩んで欲しい」と願うはずだ。親というものは、何のために子どもを育てるのか考えれば、自ずと答えは見える。お金を稼いで楽をさせて欲しいと望む親もいれば、家督を継いで欲しいという親もいるであろうし、早く子どもをひとり立ちさせたいという親もいる。親を看取った後の人は、自分自身に声をかけて「子どもとして重要な役割を果たせた。これでよかったのだ。私はよくやった」と言えばいい。いずれにしても落ち込んでいてはダメだ。


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