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読書を楽しむ「吉川永青 毒 牙 義昭と光秀」

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織田信長が力を得れば世には秩序が生まれる

それは信長のための秩序で

人を従わせるために、遍く人の心が持つ弱さを衝き、自らを恐れさせる

それは、人の業にあらず  

足利第13代将軍・義輝と同腹の弟の覚慶は嫡子以外は仏門に入る習わしがあり6歳の時に大和の一乗院へ入った。足利幕府の権力者三好長慶が病に倒れ、三好三人衆と松永久秀が義輝を攻め殺した。覚慶も松永の兵に取り囲まれるも越前の朝倉氏を頼った。三好三人衆と松永は覚慶の従兄弟の足利義親を担ぎ上げていた。三好三人衆と松永の帰討をするために力のある大名に助力を求めた。覚慶は還俗し足利義秋を名乗った。義秋は朝倉家の客分・明智光秀と出会い光秀を召し抱えたが、尾張の織田信長が供奉を受け入れる条件に光秀を織田家の家臣にしたいと言ってきた。光秀は足利家臣のまま織田の家臣にもなった。義秋は32歳で元服し名を義昭と改めたが信長との密月は長くは続かなかった。足利義昭は信長に将軍としての行いを縛る五箇条の条書で厳しく締め付けられたことで、明智光秀に毒の種をまき、光秀が信長の行いを危うく思う心や信長を信じきれない自らへの疑いの心を芽生えさせた。いつの日かその毒の種が兵を使って起った時、光秀は信長に叛旗を翻す。それは喉元に刃を突き立てることになる。そして本能寺の変が起きたというストーリー。歴史ものには諸説ありで今作も無きにしも非ず。


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