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読書を楽しむ「神永 学 悪魔を殺した男」

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阿久津誠は現職の警察官でありながら4人の人間を殺した殺人鬼

殺した者たちの身体に悪魔の紋様を刻んだため悪魔と呼ばれた

彼には他人の記憶を感知するという特別な能力があった

殺害したのは、おのれの欲望のために人の命を奪った犯罪者たちだった 

彼は逮捕され、精神科医の鑑定は統合失調症で責任能力がなく無罪となり、精神医療研究センターに入院中だった。阿久津は特殊犯罪捜査室の警察官で黒蛇と呼ばれる責任者・大黒の下で特捜の魔女と呼ばれる天海と働いていたが1年半前に天海は阿久津の犯行に気づき逮捕したが、天海はときどき捜査に行き詰まると阿久津に面会し助言を得ていた。

多摩川の河川敷で19歳の浅川由梨が殺害され、捜査一課は交際相手の大木を容疑者として絞り込んだ。天海は阿久津に遺留品の腕時計を渡し、阿久津が触れると、中年の男がSDカードを消せと言って揉み合いになり首をロープで絞めた。阿久津は被害者の記憶の断片を体感した。天海は被害者の義父が肉体関係を強要していたことを掴む。内部監査室の永瀬圭太は警察学校の阿久津の同期で、警視庁総務部のトップ小山田から阿久津の能力が本物かどうかの確認をする任務を受ける。浅川由梨の友人の島崎亜理紗は由梨からSDカードを預かっていたが由梨が殺されたことでカードを警察の刑事に渡すが公園で頭部の皮膚を剥がされ、身体には悪魔の紋様があった。SDカードにはマネーロンダリングの顧客名簿と財務資料が入っていた。ラブホテルではフリーの記者が腹上死した。彼は警察官僚が美人局にやられたことをネタにゆすりをかけていた。世田谷の住宅街では若い女性がソファーに座らせ粘着テープで拘束され、30代半ばの男・神部が自分の左耳をそぎ落とした。その神部も阿久津と同じ精神医療センターに入院した。神部は阿久津にゲームをしようと持ち掛けた。悪魔と呼ばれた男に新たな悪魔がゲームを仕掛ける。容疑者と思われる人々は悪魔に操られ犯行に及んでいた。阿久津も天海を人質に取られ最大のピンチを迎える。