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読書を楽しむ「リン・マー 断  絶」

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シュン熱の最初の症例が報告されたのは

2011年5月、中国の深圳だった

シュン熱は空気中にある微細な胞子を吸い込むことで感染する

ニューヨーク・タイムズで公表された最後の死者数は23万人

6歳のとき中国からアメリカに移民したキャンディスは、大学卒業後にニューヨークへとやってくる。出版製作会社に職を得るも、やりがいは見出せない。だがそんな日常は、2011年に「シェン熱」が中国で発生したことで一変する。感染するとゾンビ化し、生活習慣のひとつを繰り返しながら死に至るという奇病で、有効な治療法はない。熱病はニューヨークへも押し寄せる。恋人や同僚をはじめ、人々が脱出していくなか、故郷のない彼女は、社員の去ったオフィスに残る。機能不全に陥った街には、もはや正気を失い息絶えた熱病感染者と自分しかいない―ある日、彼女はついにニューヨークを去る決心をする。そして脱出の途上で、ある生存者のグループに拾われ、安全な〈施設〉へ向かうという彼らの仲間に入れてもらうのだが、それはキャンディスにとって、新たな試練の始まりだった……。(白水社 内容説明より抜粋)

始まりにいたのはキャンディスを入れて9人。世界で生き残ったのは自分たちだけだとわかった。みんなが暮らしていける場所がシカゴ郊外にある、そこは2階建ての複合施設でグループリーダーのボブが買い取ったと言った。<施設>に着いたが、そこは働くための場所だった。ボブにとって<施設>は単に住む場所ではなかった。彼が決めたルールを守らせるという快適でない場所だった。生存者のうち3人が亡くなった。ボブが熱病感染者の目つきになったときキャンディスは駐車場から車を出して走り去った。感染症があらゆる関係を断ち切っていくという物語。


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