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読書を楽しむ「ウィル・セルフ 元気なぼくらの元気なおもちゃ」

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ビルはロンドンまでの自動車旅行をやり遂げようとしていた

車を運転すると頭が空っぽにできるから

自分の身体が車の機構に溶け込み

自分が車で車が自分のような気がしていた

エンジンは車の心臓で、油だめは肝臓、自動ブレーキは感覚器

ビルは多少危険な生き方をするのが好きで、刺激が好きだった。生体と機械の合体により、目がフロントガラスに、タイヤが足に、ターボチャージャーが逃避反応になっていた。道路工事に出くわし、次にヒッチハイカーに出くわした。ヒッチハイカーは車のドアを勢いよく開け、助手席に飛び込んできた。ビルは運転に集中するふりをして、男を観察していた。男はグラスゴーのダチに会いに行くんだと言った。男はおもちゃの車でレースをすることが楽しみなんだと話したがビルからそのことについて一言もないので気に入らないようだった。ビルは「元気なぼくらの元気なおもちゃ、だな」と言ったが男は知らなかった。ビルは精神分析医で男にいくつかの質問をして相手の弱点を探し当てたり、ウィスキーとマリファナたばこで男に質問を浴びせ、生い立ちから家族のことなどを糾弾した。駅を見つけて車を止め男は外へ飛び出した。タイトルはおもちゃ会社「トンカ」のTVコマーシャルのキャッチフレーズで「どれだけ乱暴に扱っても大丈夫」という意味。


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