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読書を楽しむ「青山美智子 月曜日の抹茶カフェ」

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1月の半ばの月曜日

携帯ショップで働いている美保にとってツイてない日だった

そう思って神社にお参りしながら

マーブル・カフェのことを思い出した

神社の近くの川沿いにそのお店はあったが

月曜日は定休日だった

やっぱりツイてない思って引き返そうとしたらカフェのドアが開いて女性が出てきた。「お休みなんじゃないんですか」と聞いたら「お休みだけど、やっています」と言われた。ドアにかかっていたプレートをみると「マーブル・カフェ」の「ーブル」のところにマスキングテープが貼ってあってマジックで「ッチャ」と書かれていた。読むと「マッチャ・カフェ」と読めた。おじさんのマスターが顔を出して「抹茶が嫌いでなかったらどうぞ」と勧められた。お客は奥のテーブルにカップルが一組いた。カウンターの中には紺の和服姿の男性がいた。和装の男性がメニューを差し出したので見たら濃茶と薄茶の2種類しかなかった。和菓子付きと書かれていた。和装の男性は無表情な顔で和服を着慣れていて気取った若旦那という感じだったが愛想がなくて美保は気が沈んだ。マスターと抹茶カフェの話をすると定休日にときどきイベントをやると言った。ツイッターとかで告知しないんですかと聞いたら「なりゆきできちゃったというようなことのほうがおもしろいでしょ」と言われた。

人でも物でも、一度でも出会ったらご縁があったということになる。縁というのは種みたいなもので小さくて地味でも、育っていくと実がなったりする。種のときは想像もつかないがその先にお楽しみがあるという物語。小さなこころの人間が大きなこころの人間に育っていくような感じかな。

和装の男性は京都のお茶問屋の一人息子で東京に支店を出すために上京していた。家族ぐるみで懇意にしているマーブル・カフェのマスターからおもしろいことやらないと声をかけられ定休日に「抹茶カフェ」をすることになったが一人息子は女の人と話すのが苦手でどうしたらいいのかわからないためぶっきらぼうの態度をとってしまった。それでも一人息子と客として来た携帯ショップの女性にはご縁ができた。1月にご縁ができ12月にふたりは再会した。


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