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読書を楽しむ「宇佐美龍夫 大地震 古記録に学ぶ」

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日本中で地震は発生しているが

同じ地点で同じくらいの規模の地震が発生

することは、そう多くない

自分が生まれた土地で一生を終えるとしたら

大きな地震で2回も被害を受けることはあり得ない

同一地点での大地震は約100年以上の間を

おいて発生している

以上のことから自己の経験を次に生かすことは少ない。災害を軽減する立場からは考えると先祖の経験を生かさなければ有効な災害対策は立てにくい。古い地震を調べるためには古文書の収集が重要である。日本中にある未発見の地震資料をまとめたものが本書である。明治初年に日本に近代地震学が生まれたが地震の記録は科学的で地震に対する人間の反応が記されていない。江戸時代末までの記録は地震の強さ、揺れかた、どう逃げたか、どうして助かったか、衣食住はどうしたかということが記されていて災害対策に役立っている。本書にはひとびとの体験が書かれていて、地震をどう考え、どう対応したかが分かる。明治以降はこの体験談集が少ない。

慶長地震というものが豊臣秀吉の時代にあり、伏見城が大破したと外国人宣教師が日本西教史に書いている。地震の歴史を古文書から学ぶことで自分が住んでいる場所が大地震に該当しているかどうかの参考になる。知ることで安心できることもある。