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読書を楽しむ「藤井太洋 第二開国」

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少子高齢化と難民問題

誰かが第二開国を考えても不思議ではない

父親の介護のため地元・奄美大島にUターンした昇雄太。彼はスーパーマーケット「アマンコープ」の従業員。大手のスーパーマーケットチェーンに勤めていたUターンした。長年過疎と人口減少に悩まされていた町は、巨大クルーズ船寄港地を中心としたIR誘致計画により、活気を取り戻しつつあった。寄港地の施設名称は「ユリムンビーチ」打ち寄せられた漂着物の浜辺。総額2千億円の港湾整備とリゾート施設整備にかかる事業は島内の企業に発注。コロナ過で奄美大島の経済は補助金で賄われていたが半額に引き下げられた。そんな不況の只中にフランス人の起業家ジャンを中心としたリゾート開発企業(WRI)が巨大クルーズ船エデン号の寄港地建設に乗り出した。クルーズ船は最大6千人の乗客を運ぶことができる。この事業は、圧倒的巨大資本の力で雇用創出とインフラ整備を実現し、町救世主となると多くの島民がそう思っていた。ところが計画が着々と進むある時、昇はエデン号の前代未聞の事業内容を知ることになる。
奄美大島出身の祝は大学を休んでワーキングホリデーでニュージーランドへ行き難民受け入れの仕事を5年間していた。彼女の狙いはエデン号を就航させ、困難の中にいる人々を救うことだった。外国人が日本に住むための方法を29種類ある。生きるために国を捨てた人たちに町と仕事を与え立ち直るための場所を提供することだった。

開国か、鎖国か、島民の意見は当然分かれ、反対派はエデン号を寄港させまいとして強硬手段に出る。近未来こういうこともあり得るかもしれない。または日本人が難民になることもないとは言えない。不確かな未来を学ぶことも時には必要だ。


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