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読書を楽しむ「西村 健 不死鳥」

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福岡の長浜地区で

大規模な再開発計画が持ち上がっていた

その長浜には先祖代々醤油蔵を

運営してきた柱谷家が土地を所有し

再開発計画に反対していた

そこの一人娘・玲美が家出をした

屋台「ゆげ福」の経営者で探偵稼業もしている

弓削匠が家出娘探しを依頼されていた

弓削は福岡県警の科学捜査研究所の研究員・田所正義を連れて新宿ゴールデン街にあるバー「オダケン」を訪問した。オダケンは店の名前も呼び名も本名も小田健で元警官だった。田所は東京で起きている連続放火事件の捜査協力で上京した。田所は連続して発生した事件現場の地理的位置に着目して、犯人の拠点を推察すると言う地理的プロファイリングを研究していた。その田所の仕事を手伝うために都内のあちこちを動き回る必要があり、本来は弓削が福岡県警から依頼されてやる仕事だったが別件の仕事があるため土地勘のあるオダケンに依頼をした。

田所は東勢大学人間科学部で犯罪心理学を研究する砥部教授の部屋で仕事をすることになった。教授の助手の秦帆も挨拶した。放火事件は4/23に文京区小日向で発生し、2件目は4/29に文京区千駄木で発生し、3件目が5/7文京区小石川、5/13新宿区弁天町、5/20新宿区払方町だった。オダケンはバイクで現場に向かいデジタルビデオカメラで録画しながら同時に、その映像を大学の研究室に送信していた。

犯人は「不死鳥」を名乗り、スポーツ新聞の文字を切り抜いて予告文を作成していた。第一現場には「団子坂、二階の欄干に彳むと遥に海が見えるとやら」と書かれていた。これは永井荷風の随筆「日和下駄」からの引用文だった。犯人がナゼその場所を選んだのかを調べていくと自分の拠点から一定の距離があり、土地勘のある場所と言う条件設定が成り立っていた。そして1件目の放火事件の前に2件の放火事件があったことが新たに判明した。2/28新宿区早稲田と3/14豊島区雑司ヶ谷が主婦の噂話からわかった。そして田所研究員が連続した犯行地点の中心部に犯人の拠点があるということを突き止めた。そして実行犯は捕まったが裏で実行犯を巧みに操っていた真犯人がいることが判明した。

一方、家出娘を追っていた弓削は、スピリチュアルの合宿所に籠もる娘に占い師が実家に帰るように告げたとき、事態は思わぬ方向に動き出していた。

悪い黒幕は顔を出さずに依頼を受けた不死鳥が放火事件を作為的に起こし、その裏で別の悪だくみが動いていた。それに絡んで来た面倒くさい男ふたりがオダケンとゆげ福。お楽しみの結末は本を読んでから。


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