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読書を楽しむ「古井由吉 鐘の渡り」

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女を亡くしたばかりの男と春には女と暮らす男が旅に出た

3年ばかり一緒に暮らした女を2月前に亡くした朝倉は49日が
過ぎた頃、春には女と暮らすことになる篠原を誘い一泊二日の
峠越えに11月に出かけた。

篠原はこのことを女に話したら女は「女性に死なれたばかりの
ひとと山に入ってひきこまれはしないか」と心配した。

ふたりは、雨の中を歩き、寺で休み、宿に泊まり、寝床の中で
雨音を聴きながら眠りについた。
そして、鐘の音に目を覚ます。

翌日、宿の年寄りに山の上の鐘は誰がつくのですかと尋ねると
鐘などないといわれた。
お堂の裏手の棟に変わり者がひとりいると言われた。
ふたりは、幻聴を聴いたのかと思い気味悪がった。

このあと、ふたりは町で酒を飲み、終着駅で左右に別れた。
篠原は、女の部屋を訪ねたあとで熱を出した。
女は、山からひいてきたと言った。
そして、篠原の夢の中へ朝倉のつぶやきが入り込んできた。

なんと言ってよいのやら最後まで読むと凡人には良くわからない
結末になっていました。


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